字幕翻訳から音声吹替へ。YouTubeが多言語化をさらに加速
音声を字幕翻訳へ即座に変換、というサービスやデバイスはこれまで多く登場しました。よくドラえもんの「ほんやくコンニャク」に例えらることが多いですね。これだけでも、外国語が近くなり、翻訳も身近になったなという印象がありましたが、YouTubeがさらに一歩先のサービスの提供を開始しています。音声から音声へ、多言語音声サービス。字幕についてはすでに多言語化が行われていましたが、ついに音声までサービスが拡大してきました。
YouTubeは、まず少数のクリエイターで多言語音声の新機能のテストしました。幅広い視聴者層を擁する MrBeastのチャンネルでは、世界中の人々にチャンネルを視聴されることを目的に、自身の人気動画の吹替版を 11 の言語で作成しています。
そしてテストの初期結果、多言語音声機能のテストに参加したクリエイターの場合、平均で総再生時間の 15% 以上が吹替版の言語で再生され、2023 年 1 月だけで吹替版での視聴時間が毎日 200 万時間を超えました。このような結果を踏まえてYouTubeはこのサービスの提供範囲を数千人のクリエイターに拡大するとのことです。すでに吹き替え言語は40を超えており、3,500以上の多言語動画がアップロードされています。
世界中の映像を吹き替えで楽しめるワクワクするようなサービス。ただ、使い勝手はテスト段階ということもありやや微妙。視聴者として動画を見る場合は「設定」をクリックして、「音声トラック」を確認。コンテンツの言語が、視聴者が選択した使用言語にデフォルトで設定されたり、自動翻訳されたビデオのタイトルと説明文によって、多言語コンテンツを検索することができます。
問題はクリエイター側です。制作した動画をアップロードする時に字幕エディターツールを使用して自分で手配した音声ファイルを追加する必要があります。これはややこしくて、手間がかかりそう。それでも、字幕翻訳のように、オリジナル音声を翻訳音声に自動で置き換えてくれる日が確実に近づいていることを感じさせてくれます。なぜなら、もう始まっているのですから。