同時翻訳が新しいスタイルで登場 〜透明ディスプレイ越しで音声翻訳を実現 西武鉄道が実証実験を開始〜
同時翻訳はポケトークなどのデバイスや翻訳アプリなどが普及し急速に進化していますが、新たな同時翻訳スタイルが登場しました。
西武鉄道が、2023年7月10日から9月末までの予定で西武新宿駅にて翻訳対応透明ディスプレイの実証実験を始めています。
これは凸版印刷が開発した「VoiceBizⓇUCDisplay」というシステムで、透明なディスプレイに翻訳が表示され、対面で円滑なコミュニケーションを実現するというものです。透明なディスプレイに表示されるので、相手の顔と字幕の両方を視界に入れながらコミュニケーションが取れ、これまでの翻訳デバイスやアプリよりもより自然な会話が可能になります。
対応言語は12言語。日本語に加えて英語、韓国語、中国語(簡体字)、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、ポルトガル語、ミャンマー語、スペイン語、フランス語、フィリピン語となっており、インバウンドで主に必要とされる東アジアや東南アジア、ヨーロッパ言語をしっかりとカバーしています。新宿駅を選んだ理由も外国人観光客が多く利用するためとしており、本気度が伝わってきます。
気になる翻訳精度ですが、英語を介する海外製の翻訳エンジンではなく、日本語ベースで英語を介さない国産翻訳エンジンを活用。日本語に強く、高い翻訳制度を実現しています。さらに、独自に商品名や地名、人名などの固有名詞も登録できるので、インバウンドに限らず様々な業界での導入が可能となっています。
このシステムは、今回の西武新宿駅だけではなく、訪日外国人の対応が多い自治体窓口や観光施設の受付、ホスピタリティ向上やユニバーサル対応を進める交通機関の窓口・ホテルや企業の受付などでも導入を進めているとのことです。
この近未来のデバイスにも見える透明ディスプレイでの同時翻訳。機器、翻訳品質ともに高いクオリティーで身近に訪れています。