2022年10月の免税売上高・来店動向発表〜インバウンド解禁後、大幅な回復基調が明確に〜

10月11日にインバウンドの水際対策が緩和され、緩和後初の免税売上高・来店動向が日本百貨店協会から発表されました。以前、発表内容にインバウンドを含む大手百貨店5社の10月の売り上げ速報をお伝えし、各社とも売上高前年同月比で順調な伸びを示したことをお伝えしましたが、今回の免税売上高・来店動向でも上昇傾向が明確な結果となりました。

免税売上動向
最初に10月の免税売上動向です。
インバウンドの水際対策の緩和が10月11日でしたので、実質的に3週間がインバウンド分となります。

免税の総売上高は136.8億円となり、前年同月比で335.2%の上昇となりました。内訳は一般物品が123.3億円(349.4%増)、消耗品が13.3億円(237.6%増)となっています。また購買客数は約7万人で1037.5%の増加となりました。一方で一人当たりの購買単価は61.7%減の19.2万円となっていますが、購買客数が1,000%以上増加していることを考慮すると当然の結果でしょう。コロナ禍前の2019年10月では約6.5万円なので、この金額が今後向かう購買単価の目安になってくると思われます。

実額前年同月日比
免税総売上高約136.8億円335.2%
一般物品売上高約123.3億円349.4%
消耗品売上高(化粧品、食料品等)約13.5 億円237.6%
購買客数約 7 万人1037.5%
一人たりの購買単価約19.2万円▲61.7%

売上上位商品
1位 化粧品
2位 ハイエンドブランド
3位 夫人服飾雑貨
4位 食料品
5位 紳士服・雑貨

免税手続きカウンターの来店国別順位
1位 中国本土
2位 香港
3位 韓国
4位 台湾
5位 マレーシア
6位 シンガポール
7位 タイ

来店国順位では中国語圏の国・地域が上位にきました。このランキングで注意すべきは、1位の中国本土です。中国本土は現在(2022年11月29日時点)でもゼロコロナ政策が継続しています。それにも関わらずトップとなりました。ゼロコロナ政策の解禁後、どのように変化するのか注目です。

来店国順位からみると、現段階での日本のインバウンドのマーケットは東アジアが中心で、ついで東南アジアということが分かります。8位以降にアメリカやオーストラリア、またフランスやドイツ、イギリスなどヨーロッパの国々がランクに入ってくると思われますが、当面はこの傾向が継続するでしょう。