インバウンド、2月の「モノ消費」の百貨店免税売り上げが発表。

日本百貨店協会が3月23日に2023年2月の外国人観光客の売上高・来店動向を発表しました。
急回復中のインバウンド、「モノ消費」は回復状況を分かりやすく把握する数字です。

2月の商況は、免税総売上高は約173億円、購買客数は約16万人となりました。
内訳は、一般物品売上高は約153億2000万円(303.6%増)、消耗品売上高(化粧品、食料品など)は約19億8000万円(421.1%増)でした。また購買客数は約16万人となり、1人あたりの購買単価は、約10万8035円となりました。コロナ禍前と回復率を比較したデータは以下となります。

実額(2023年2月)実額(2019年2月)回復率
免税総売上高約173億円約 319 億 2 千万円54.2%
一般物品売上高約153億 2 千万円約 175 億 2 千万円87.4%
消耗品売上高(化粧品、食料品等)約19億8千万円約 144億円13.8%
購買客数約16万人約 42.5万人37.6%
一人あたりの購買単価約108,035円約 75,000円144.0%


全体的にみると、回復率は54.2%でおよそ半分程度しか回復していません。これは、二つの原因が考えられます。

一つ目は、中国からのが観光客が不在ということです。インバウンドで最も多くの割合を占めるのは中国です。2019年の訪日外客数で見た場合、中国は約3割を占めています。インバウンドは昨年に実質解禁になりましたが、中国はゼロコロナ政策解除の影響で感染者が急増しており、日本が中国に対して水際対策を強化していました。この水際対策は3月に終了していますが、2月はこの影響を受けています。

二つ目の理由として、飛行機のキャパ不足です。
コロナ禍で世界中の国際便が廃止・減便となりました。コロナの感染が落ち着いた現在、航空各社は増便を行っていますが、一気に回復はできません。日本はこれまで主要空港への発着がメインでした。現在は地方空港への発着も始まりましたが、いまだ本格的な回復には至らず、定期便を徐々に増やし、またチャーター便で対応している状態です。これからバカンスシーズンに向けて、本格的に回復するものとみられています。

また、来店国別順位のデータも発表されています。
2023年は韓国、台湾、香港、中国本土、タイ、シンガポール、マレーシアとなっています。
2019年は順位まで発表されていて、1位が中国本土、2位 韓国、3位 台湾、4位 香港、5位 タイ、6位 シンガポール、7位 マレーシアとなっています。

来店国別では、変動は全くありません。やはり、1位の中国本土からの観光客が不在というのは大きな影響を与えていると考えられます。

また、人気のあった商品としては、1位 化粧品、2位 ハイエンドブランド、3位 食品、4位 婦人服飾雑貨、5位 美術・宝飾となっています。

2月は、正月や旧正月とお花見シーズンの間の閑散期でもあり、落ち着いた数字となりました。3月は水際対策が緩和されていることもあり、売り上げが期待できます。