人材不足のインバウンド、留学生の積極的活用へ~留学生1,000人の実態調査~

リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』が、「留学生1,000人のアルバイト実態調査2023」を2023年1月に実施しました。

調査結果1 アルバイトの希望について
2023年1月、留学生に今後のアルバイトの希望について聞くと、89.5%がアルバイトを希望し、コロナ禍前の78.4%からアルバイトへの希望が高まっています。また、アルバイトの状況では、「1つしている」と「2つ以上している」をあわせると約70%となり、アルバイト希望89.5%との差分をみると現在アルバイトをしていない留学生も今後アルバイトを希望していることがわかります。


調査結果2 希望する仕事について
希望する仕事内容では複数回答で、1位が「宿泊施設のスタッフ」、2位は「ホールスタッフ(飲食店)」、3位はコンビニエンスストア店員、4位は「通訳・翻訳」、「5位はファーストフード店店員」となりました。「翻訳・通訳」以外はサービス業であり、インバウンドで特に人材不足が深刻なサービス業の問題解決にぴたりと当てはまっています。


調査結果3 アルバイトのきっかけ
アルバイトをしている留学生699人に始めた理由を複数回答で質問すると「生活費」が最も多く51.6%、次に「日本で働くことに興味があるから」が45.6%、「日本語を勉強できる機会が欲しいから」が39.8%となりました。参考で2019年と比較すると、「日本で働くことへの興味」が10%以上増加しています。コロナ禍の影響で、予定通り来日できない等困難な状況を経験した留学生もいると思われ、そのような状況でも来日した留学生は「日本で働くこと」への興味や関心の強さをうかがうことができます。


日本にやって来る留学生は、日本の習得はもちろん、日本社会や日本人の働き方にも強い関心と意欲をもっています。また、留学生は母国語だけではなく英語を既に習得していることも結構あります。

仕事を覚えてもらうまで、手間のかかることももちろんあります。ただ、それは日本人でも同じ。何よりも貴重なのは「仕事に対してやる気がある、積極的に吸収しよう」という意欲です。仕事への高いモチベーションは、時給をあげたくらいでは得られません。留学生は、仕事に必要な「やる気」や「向上心」が最初から充実しています。留学生の活用は、人材不足を解決する選択肢となり、今後は雇用する側も国籍にとらわれず、積極的に検討することが求められるでしょう。