インバウンド 2023年の外国人観光客の消費額が発表

観光庁が2023年の外国人観光客の消費動向を発表しました。
全体では5兆3,065億円でコロナ禍前よりも10.2%増となり過去最高を記録しました。
また一人当たりの旅行支出では21万3千円で、コロナ禍前よりも34.2%の増加となり、全体及び個人の両方でコロナ禍前を上回りました。

国別では、東アジアが上位を占め、台湾が1位で7.835億円、2位が中国で7,604億円、以下は3位韓国、4位アメリカ、5位香港の順となっています。

国・地域2023年2019年成長率
台湾7,8355,51742.0%
中国7,60417,704-57.1%
韓国7,3924,24774.1%
アメリカ6,0703,22888.1%
香港4,8003,52563.2%
※単位は億円


それぞれの国や地域は成長していますが、特に韓国は74.1%、アメリカは88.1%と大きな伸びを見せいています。その要因としては、他の国や地域にも当てはまりますが、円安で日本への旅行が非常にリーズナブルになっていることです。今の日本は海外から見ると、とても安くて遊びに行きやすい国になっています。実際、円相場は2019年でおよそ110円ですが、2024年4月1日には151円まで円安となっています。1ドルで約40円の違いは非常に大きく、逆に円高となった時には逆方向に大きな影響が発生する可能性が高いので、現在は稼ぎどきですが、現状が続くと考えるのはリスクになります。

また、この中で目立つのは中国です。中国だけはマイナスとなっていますが、主な要因はコロナ禍で減少した航空便が以前農用に回復していないからです。しかし徐々にですが、正常化に向かっています。

客単価も発表になっており、国や地域によって大きな差が出ています。

台湾 180,510円 中国 285,115円 韓国 101,110円 アメリカ 324,610円 香港 223,875円

国別の消費額で台湾、中国、韓国で大きな差はありませんが、個人消費額では明確に違いが出ています。中国は訪日観光客数は少なくても、客単価で大きく上回ってます。

また外国人観光客がどのようにお金を使っているか、項目別も発表になっています。
項目に関しては金額や比率は違いますが、順位は変わらず以下の通りとなります。

1位 宿泊費(34.6%) 2位 買い物代(26.5%) 3位 飲食費(22.5%) 4位 交通費(11.3%)
5位 娯楽等サービス費(5.1%)

メデイアでは、インバウンドの好調ぶりがよく報道されていますが、数字で改めて確認すると、全体のトレンドやターゲットにするべき国や地域、また円安などのメリットやリスクが浮かび上がってきます。漠然とした「雰囲気」でインバウンドビジネスを開始したり新たに投資することなく、しっかりとデータをベースにしてビジネスを展開することが重要です。