夏の観光シーズンに向けて、順調に回復中の中国人観光客。中国在住の中国人に対しての訪日意欲調査が発表


日本のインバウンドで最も大きなマーケットである中国。コロナ禍での日本の水際対策が中国だけ緩和が遅れましたが、現在は順調に来日客数が増加しています。この流れは今後も続くと予想され、今年の夏休み・バカンスシーズンは、多くの中国人観光客が日本へ訪れそうです。

このような状況の中、インタセクト・コミュニケーションズ株式会社が、中国本土において25歳から49歳以上を対象に「中国における訪日意欲のアンケート調査」を実施しました。
(回答数1043件、うち男性555件、女性488件/メッセンジャーアプリ「WeChat」のアンケート機能<テンセント社提供>を利用)

訪日経験・意欲について
訪日経験について、「行ったことがない」が64.1%、「行ったことがある」が35.9%となりました。6割以上の中国人が日本をまだ訪れたことがない結果となっています。また訪日経験がある人で再び「行きたい」が91.4%となり、一度日本を訪れた人は再び日本を旅行したいと答えています。

また、再訪を希望する人の中で、日本を訪れたい時期について「有給休暇を利用する」が40.1%、秋の大型連休である「国慶節を利用する」が28.4%、「夏休みを利用する」が17.0%となりました。意外な結果としては、「春節を利用する」が7.6%となったことです。中国の二つの大型連休(国慶節と春節)でも大きな差がつきました。また、1位が有給休暇の利用ということで、日本を旅行する時期が分散化する傾向がでています。

      訪日経験・再訪意欲                  日本を訪れたい時期

インタセクト・コミュニケーションズ調べ
有給休暇を利用する40.1%
国慶節を利用する28.4%
夏休みを利用する17.0%
春節を利用する7.6%

日本を旅行する理由
「日本を旅行する理由は何ですか?」(複数選択)という質問については1位が「観光地に行きたい」90.4%、2位が「日本食が食べたい」が80.7%、3位が「日本で買い物がしたい」68.1%となりました。訪れたい地域は1位が北海道で33.6%、2位は関東で25.4%、3位は九州の12.6%、4位が近畿で11.4%となりました。

インタセクト・コミュニケーションズ調べ


ビフォーコロナとアフターコロナ、訪日意欲と旅行予算の変化は
「ビフォーコロナ」と「アフターコロナ」での訪日意欲(単一選択)については、「訪日意欲が上がった」と回答した人は44.4%、「変わらない」と回答した人が26.9%、「下がった」と回答した人は28.9%となりました。

また旅行予算に関して、「ビフォーコロナ」では、10万円-30万円と回答した人が33.6%、30万円-60万円が32.8%、60万円以上は27.8%でしたが、「アフターコロナ」では、60万円以上と回答した人は33.0%と最も多く、10万円-30万円と回答した人が31.6%、30万円-60万円が29.2%でした。中国人観光客は消費額が他の国や地域の外国人観光客よりも高い傾向がありますが、アフターコロナでは、さらに上昇する可能性を示しています。
             ビフォーコロナとアフターコロナ、旅行予算の変化

ビフォーコロナアフターコロナ
10万円-30万円33.6%31.6%
30万円-60万円32.8%29.2%
60万円以上27.8%33.0%
インタセクト・コミュニケーションズ調べ


日本を旅行する時の不安について
海外旅行をする際、不安はつきものです。訪日時の懸念点については、やはり「言葉が通じない」が最も多く、206件でした。次に「文化的衝突」と回答した人が145件、「便利な決済方法がない」が133件でした。

『決済方法』に関しては、昨年秋の調査で「積極的にWechat Payやアリペイ等の電子決済を使いたい」が43.3%、「電子決済、クレジットカード、現金の順番に使用」が24.0%と大多数で、「積極的に現金を使いたい」は13.9%と少数にとどまっているなど、銀聯カードだけではなく、キャッシュレス決済が中国人観光客の新たなニーズとなっています。

インタセクト・コミュニケーションズ調べ


日本に関しての情報収集の方法は?
日本についての情報収集については、やはりSNSやOTA(オンライン・トラベル・エージェント)が上位を占めています。「Douyin(中国版TikTok)」が55.6%、「RED(中国版インスタグラムともいわれています)」が53.8%、「Weibo(中国版Twiterともいわれています)」が47.4%となりました。以下「検索エンジン」が40.9%、「ニュースサイト」が21.6%という結果となっています。

また、関心あるニュース(複数選択)に関しては、「アニメ」が最も多く、57.3%でした。2位は「経済」で51.6%」、3位は「流行り」で45.0%、「ゲームが」が4位で40.1%となりました。サブカルチャーの影響力が強い結果となっています。

インタセクト・コミュニケーションズ調べ


アンケートの属性について

 今回のアンケートでの男女比は男性:53.2%、女性:46.8%。年齢は男性25-29歳が35.9%、30-34歳が29.4%、35-39歳が20.4%、40歳以上は14.4%。女性25-29歳が43.9%、30-34歳が25.0%、35-39歳が16.0%、40歳以上は15.2%。月収は、6万円以下が10.3%、6万円-12万円が32.4%、12万円-20万円が35.9%、20万円-40万円が16.9%、40万円以上が4.6%でした。

※2023年5月 中国国家統計局の発表では2022年、中国都市部の非民間事業所就業者の平均月収は約9,500元(約18万5500円)、民間事業所就業者の平均月収は約5,436元(約10万6125円)。

——————————
インバウンド対策、難しそうですか?ちょっとしたお悩みや心配事、お聞きしています。下のお問い合わせやメールからどうぞ。改善案や解決策を無料でお届けしています。対面希望でもどうぞ。お話、相談ごと、お聞きしています。