インバウンド 本格的な回復が始まる 〜2022年12月の訪日外国人数発表〜
日本政府観光局(JNTO)が2022年12月の訪日外国人数を発表しました。
10 月から水際対策の緩和が実施されたことを受けて、12 月の訪日外国人数は 137万人と、11月の約93.5万人から約 1.5 倍となりました。特に韓国からの訪日外国人数が前月から大幅に増加し、またアメリカやタイ等からの訪日外国人数も回復基調にあり、12月の押し上げ要因となっています。
日本のインバウンドの中心は、中国や韓国、台湾といった東アジアですが、韓国はコロナ禍以前の2019年と比較すると1.8倍の約45.6万人が来日しました。数字だけ見ると既に回復して、さらに伸びているようですが、2019年のこの時期は日韓情勢により日本への旅行を控える動きが発生していたため、表面的な数字で判断するのは難しいです。もう少し状況をみてみましょう。
そして、日本のインバウンドで最も重要な中国。
2019年は約71万人だったのに対し、2022年は約3.3万人とほぼ全く回復していません。1割以下です。これは日本の水際対策が緩和されても、中国のゼロコロナ政策が継続していたためです。現在はゼロコロナ政策が事実上解禁となっていますが、今度は日本が中国本土などからの訪日外国人に対して水際対策を強化しているので、どの程度回復するか見通せない状況です。ある程度は回復するでしょうが、その回復幅は来月以降に注目です。
インバウンド全体としては、回復基調にあります。今後は安定した回復が予想され、コロナ禍以前の水準に近づいていくでしょう。現段階では、3月下旬のお花見シーズンが目安となりそうです。中国人観光客に対しての水際対策もこの時期には落ち着いている思われますので、インバウンド翻訳や人材確保をはじめとした受け入れ準備を整えておくことが重要です。