解禁インバウンド-先月比でいきなり2倍以上。50万人に迫る勢い
日本政府観光局(JNTO)が2022年10月の訪日外客数を発表しました。
10月11日に水際対策が緩和となり、10月の訪日外国人の人数は高い期待がされていました。結果としては498,600 人が来日し、前月 206,500 人から2倍以上の伸びとなりました。10月最初の10日間は規制が続いていたため、およそ3週間分の数字となるのですが、それでも期待通りの結果となりました。
結果内容と今後の課題
内容としては、中国を除く東アジア市場で訪日外客数が前月から大きく増加したこと、また、東南アジアおよび欧米豪中東市場においても多くの市場で順調な回復が見られたことが10月の訪日外客数の大幅な押し上げの要因となりました。なお、航空便においては増便の傾向が見られますが、新型コロナウイルス感染症拡大以前との比較ではいまだ回復途上にある状態です。
観光立国の復活に向けては、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつインバウンドの V 字回復を図る必要があります。個人旅行の再開や入国手続き等の実用情報の的確な発信と併せ、これからの訪日観光の柱となるサステナブルツーリズム等の情報発信や MICE 誘致等の取組を強化していくことが求められるでしょう。
地域別訪日旅行市場の概況
全市場共通
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大以降減少した日本路線の航空座席供給量は回復途上にあるほか、物価の高騰や航空券代の高騰、航空・旅行会社を取り巻く人手不足等の課題が多くの市場で見られています。また、欧州地域においては、ウクライナ情勢に伴う飛行ルートの変更によるフライト時間増加も訪日旅行の懸念材料となっています。
1. 東アジア
訪日外国人数は韓国が 122,900 人、中国は21,500 人、台湾は35,000 人、香港は36,200 人となりました。しかし、中国はゼロコロナ政策が続いているため実質的な変化はありません。また台湾と香港は、日本からの帰国後を中心に規制がまだ残っている状態です。
2. 東南アジア
訪日外国人数は、タイは34,100人、シンガポールが14,300人、マレーシアが 8,800人、インドネシアが11,100人、フィリピンが14,800人、ベトナムが30,800人、インドが6,000人でした。タイとマレーシアを除いては、日本からの帰国後、各国それぞれ入国制限や規制があります。また、各国とも日本への直行便は回復傾向にあります。
3.北米・オーストラリア
オーストラリアは,700 人、アメリカは52,300人、カナダは、9,800人、メキシコは2,000人です。アメリカとオーストラリアは、日本からの帰国後検査などが推奨されています。各国とも日本への直行便は回復傾向にありますが、メキシコだけは前年同月比の維持となっています。
4.ヨーロッパ
イギリスは、10,300人、フランスは11,000人、ドイツは8,900人、イタリアは4,500人、スペインは2,800人、ロシアは1,600人となりました。イギリス・フランス・ドイツの日本への直行便は回復傾向にあります。しかし、イタリア・スペイン、ロシアからの直行便は、運休が引き続き継続しています。
5.中東地域
中東地域は、4,100 人でした。
※自国民の日本からの入国については、一部の中東地域の国で指定アプリのダウンロード等が必要となっています。直行便に関しては、ドバイ~成田間の増便などもあり、回復傾向にあります。