インバウンド 2023年も出だし良好で、順調に回復中。 〜2023年1月の外国人観光客数が発表〜
日本政府観光局が(JNTO)が2023年1月の訪日外客数を発表しました。
1 月の訪日外客数は対2019 年1月と比較して、 55.7%の 1,497,300 人となりました。クリスマス休暇
等により訪日旅行需要が高まる 12 月に比べると、例年 1 月は欧米市場を中心に閑散期にあたりますが、旧正月等の影響もあり、特に東アジア市場からの訪日外客数が 100 万人を超えて、総数では前月から 10 万人を上回る実績となりました。
昨年10月に水際対策が実質的に撤廃されてから外国人観光客は増加していますが、今回の発表で2023年になっても引き続き回復傾向にあることがはっきりと分かりました。特に韓国をはじめとした東アジアや、東南アジアも同様に大きく伸びています。
2023年1月 上位外国人観光客数
国名 | 訪日外客数 | 回復率(2019 年同月比) | |
1位 | 韓国 | 565,200人 | 73% |
2位 | 台湾 | 259,300人 | 67% |
3位 | 香港 | 151,900人 | 98% |
4位 | アメリカ | 88,100人 | 85% |
5位 | タイ | 63,400人 | 68% |
このデータの注意点としては、中国がランキングに入っていないということです。中国はゼロコロナ政策が解除となりましたが、そのために急激に感染が拡大しました。そのため日本が感染拡大を防ぐため中国に対して水際対策を行なっているため数字が伸びていません。しかし、この水際対策は緩和や撤廃が検討されている様子なので、中国からの観光客が戻ればさらに増加するでしょう。
一方で、問題も発生し始めています。それは準備不足と人材不足です。
コロナ禍以前、急成長していたインバウンドは多くの業界や企業、団体、個人事業主まで巻き込んで、日本経済にとって重要な産業でした。しかし、コロナの流行によって一旦は実質的に「ゼロ」にまで落ち込みました。そのため、インバウンド対応は脇の置かれたり放置され、また働いていた人達は他の業界に移ってしまい、まだ充分に戻ってきていません。さらに観光は外国人観光客だけではなく国内需要、つまり日本人も旅行を楽しみ始めていて、ホテルや旅館をはじめとした観光に関連した業界は業務が圧迫気味となり、対応の追いつかない状態が目立ち始めています。
今月発表された数字によると、インバウンドは確実な回復傾向にあり、これからも伸びる勢いを示しています。これから中国からの観光客が本格的に日本に訪れることを踏まえると、さらに需要は高まるでしょう。
インバウンドの次の繁忙期は3月のお花見シーズンになります。お正月や旧正月シーズンが落ち着いた今の時期は、準備に時間を使える重要な期間となります。しっかりと体制を整えて、お花見やその先にある本格的な繁忙期「夏休み・バカンス」に外国人観光客をお迎えし、おもてなしを行いたいところです。