ナビタイム 訪日外国人が検索している観光地を分析~インバウンド水際対策の緩和前後で鮮明に~

株式会社ナビタイムジャパンが、訪日外国人向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況から、訪日外国人旅行者に人気の観光スポットの分析結果を発表しました。

調査期間は2022年9月1日~10月30日。水際対策の緩和が発表されたのが9月22日なので、発表の効果と潜在的訪日外国人の注目ポイントが分かります。

国・地域別による訪日旅行への関心度
設定言語別の利用者において、9月1日と比較すると中国語(繁体字)が10月30日時点で22.9倍となりました。また韓国語が7.8倍、タイ語が5.9倍となっており、中国語(繫体字)を使用している台湾・香港や韓国、タイからの高い関心がうかがえます。

県別検索ランキング
訪日外国人向けナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』と日本人向けナビゲーションアプリ『NAVITIME』の比較において、外国人が目的地にする傾向の強い都道府県の分析では、東京や神奈川、大阪などの上位に大きな違いはありませんが、京都、山梨、岐阜、岡山などが日本人検索ランキングと比較して高く、外国人の旅行先として注目が高くなっています。

言語別による都道府県とスポット分析
中国語(繁体字)では、冬シーズンにスキーができる北海道、長野、青森などの降雪地、また九州の温泉地として人気の大分や熊本、また山梨や熊本も順位が高い傾向にありました。具体的なスポットとしては、河口湖や軽井沢、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの最寄り駅であるユニバーサルシティ、函館、銀座、札幌の順位が高いのが特徴的です。

タイ語利用者では、福岡、北海道、大分、山形の順位が高く、東京の占める割合が25.2%と、全体の検索割合の31.8%よりも低い結果となりました。特定の地域への偏りが少なく、関東、中部、関西エリアを中心に全国を広く検索しています。また、スポットでは由布院、熊本の順位が高いのが特徴的です。

韓国語利用者では、上位2都府の東京、大阪だけで約6割を占め、東京と大阪を目的地にした検索の偏りが大きくなっています。また、北海道、大分などで、全体の傾向よりも検索順位が高くなっています。具体的な目的地では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、東京ディズニーランドといったテーマパークが上位であること、銀座、秋葉原、原宿、新大久保やなんば、道頓堀など東京、大阪で人気の場所への検索が多いことも特徴的な結果となりました。

コロナ以前と同様に、韓国や台湾、また香港からの注目が高くなっています。また、タイも上位にきました。東南アジアもインバウンドの重要なマーケットですが、今回はタイがいち早く反応したかたちです。今後、このような水際対策の緩和後のデータが業界や地域ごとなどに発表されます。業界別、地域別などでデータを収集・分析し、しっかりインバウンド需要を取り込んでいきましょう。