アメリカ人「日本旅行を計画している」「もう日本を旅行した」割合が約50%に。円安も追い風へ
マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマークは、アメリカの20代~40代男女に「訪日(旅行)外国人に関する調査」を実施し、その結果を4月6日に公開しました。
調査期間:2022年12月26日(月)~12月28日(水)
インバウンドでアメリカからの観光客は、韓国、台湾、香港に次いで多くなっています。そのため、アメリカ人観光客の集客は非常に重要であり、さらにアメリカ人観光客は、コロナ禍前の2019年1〜2月と比較しても既に回復率で約90%(※)まで回復しています。今回の調査データでは、アメリカ人が日本への旅行について、どのような傾向があるかを知ることができます。
※日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より
訪日経験
質問:あなたは、これまでに日本を訪問したことがありますか。訪問したことがある方は、直近の訪問時期をお答えください。(1つ選択)※出張は除きます。
日本へ「訪問したことはないし、今後もする予定がない」が約50%と最も高くなりました。一方で「訪問したことはないが、今後する予定がある」と回答したのがおよそ30%、既に日本へ旅行があると答えたのは約20%となりました。
既に日本を旅行しているのは約20%ですが、日本を今後の旅行先の選択肢に入れている人が約30%ほどおり、旅行済みと合わせてほぼ半数の約50%になっているは興味深い結果です。
また性別では、男性が女性より日本旅行の経験が高くなっています。年齢別では、男女ともに年代が若くなるほど、訪日経験が高い傾向となっています。
訪日予定者:訪日予定時期
質問:日本を訪問したことはないが、今後する予定があるとお答えの方におうかがいします。あなたが日本を訪問する時期はいつごろの予定ですか。以下の中からお答えください。(1つ選択)
日本に来たことがない未訪問者の30%割が、1年以内の訪日を予定しています。バカンスで海外旅行に行ける時期というのはある程度決まっているので、より具体的に日本への旅行を検討していることが伺えます。また性別では、女性が男性よりも半年以内の訪問意向が高く、なかでも「女性20代」と「女性30代」で特に高くなっています。
円安による訪日への影響
質問:訪日経験のある方、訪日を予定されている方にお伺いいたします。円安状況であることは訪日のきっかけの1つとなりますでしょうか。(なりましたでしょうか。)(1つ選択)
円安が日本旅行へのきっかけとなっている、としたのは「とてもなっている」が20.7%、「まあまあなっている」が23.7%となりました。合わせると約45%のアメリカ人が円安が理由で日本を旅先に選択・旅先候補としていることが分かります。また性別では、男性は女性よりも「なっている計」が上回っており、なかでも男性20代が特に高い結果となりました。男性の方がより旅費に対してシビアに考えているようです。
訪日で楽しみにしていた(している)こと(TOP2)
質問:あなたが日本を訪問する際、以下についてどの程度楽しみにしていましたか。いますか。それぞれあてはまるものをお答えください。(それぞれ1つずつ選択)
訪日で楽しみにしていた(している)ことをTOP2、「とても楽しみにしていた(している)+まあ楽しみにしていた(している)」でみると、「日本の文化体験」が最も高く、次いで「自然・景勝地観光」となりました。この傾向は文化や自然の経験・体験を重視する外国人観光客全体の傾向と一致しています。
また「日本食を食べる・日本の酒を飲む」も同水準となりました。さらにショッピングへの関心も高く、購買意欲も充分に感じられます。一方で、「スポーツ (観戦を含む)」「治療・健診」は他の項目よりも低く、あまり魅力を感じていない結果となりました。
この調査では、アメリカ人の日本への旅行に対しての関心の高さや、日本でしたいことなどが分かりました。また円安も一定の影響が出ており、今後為替相場が大きく振れた時は、懸念材料となる可能性があります。
コロナ禍前の2019年には、170万人以上のアメリカ人が日本へ旅行にやってきました。
インバウンドのアメリカ人需要は順調に回復しているので、アメリカ人の集客はできるだけ早く、しっかりと行なうことが必要です。