インバウンド回復のサイン~大手百貨店が10月の売り上げ速報を発表~

大手百貨店5社が10月の売り上げ速報を発表しました。
各社とも売上高前年同月比で10%~25%の増加となり順調な伸びを示しています。そしてインバウンドの「モノ消費」の指標となる免税の売上にも触れていて、各社との回復傾向にあることが分かりました。以下、会社別にインバウンドに関する発表内容を見ていきます。

三越伊勢丹ホールディングス
インバウンドに関して具体的な数字には触れていませんが、首都圏店舗を中心に香港、韓国、台湾など東アジアの顧客が急増。国内百貨店計で前年実績を大きく上回ったとしています。

J.フロントリテイリング(大丸・松坂屋)
大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は、対前年489.1%増(客数同1518.0%増、客単価同63.6%減)となりました。前年対比で500%に届きそうな勢いで、驚異的な伸び率を達成しています。客単価は下落していますが、客数の伸び率が1,518%となっており、ネガティブに捉える必要はないでしょう。

エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O
免税売上高は、コロナ前の2018年・2019年までの回復には至らないまでも、前年実績は大きく上回りました。

高島屋
10月度の店頭売り上げとして、高額品が好調であることに加え、日本への入国に際する水際対策の緩和や祝日の1日増により、前年実績を上回ったとしています。免税売り上げに関して独立した記述はありませんが、水際対策の緩和が売り上げ増加に貢献したようです。

そごう・西武
10月の免税売上高は前年同月比で約35%増(2019年同月比約60%減)、客数約450%増(同75%減)となりました。こちらも回復がはっきりとあらわれています。

各社とも免税売り上げは増加しました。今回は10月の速報ですが、水際対策が緩和されたのは10月11日であり、実質3週間分の集計となります。それでもはっきりとした伸びが示され、インバウンド需要は順調に回復へ向かっています。