旅館・ホテル業界 インバウンドで急回復 課題はやはり人手不足


コロナの感染拡大が沈静化し、観光業界も業績が急回復しています。このような現状の中で、2022年度の旅館・ホテル業界の現状と今後の展望について帝国データバンクが調査・分析を行い発表しました。

調査は約800社に対して行われ、2021年には76%の旅館やホテルが減収でしたが、2022年10月には45%が増収へと転じました。インバウンドの水際対策が大幅に緩和され、また「全国旅行支援」の最中でもあり、二つの要因が重なって増収を後押ししたものと見られます。そして2023年4月時点では、増収(予定含む)が6割以上となり、一方で前期並みは37%と2022年10月の49%よりも12%減少しています。また旅館とホテルの増収割合は、旅館業態が55%、ホテル業態が62%となり、ホテル業態の業績回復が目立ちました。

帝国データバンク調べ

旅館・ホテル業界のマーケットの推移では、2023年は業界全体で3.4兆円となりました。コロナ禍前の過去最高だった2018年度・5.2兆円と比較するとおよそ60%にとどまりますが、現在の回復ペースが維持できれば、2023年度は4〜5兆円に達する見込みです。

帝国データバンク調べ

旅館・ホテル業界は業績回復が鮮明になってはいますが、一方で懸念材料もあります。それは、人手不足です。帝国データバンクの調査では、正規・非正規ともに7割を超え、非正規に関してはほぼ8割にも達しています。以前から当ブログでもお伝えしている通り、宿泊業界の人手不足は深刻です。一部では予約制限や客室稼働率を抑えるところも出てきています。コロナ禍で他業種に流出した従業員が賃金などの条件面が原因で業界への戻りが鈍くなっており、需要の取りこぼしなどににより業績回復が伸び悩む可能性があります。

帝国データバンク調べ

旅館・宿泊業界としての業績は今後も回復基調が見込まれますが、各旅館・ホテルの単位では回復ペースが鈍るところも出てくるでしょう。引き続き採用活動を強化するとともに、配置の見直しやリスキリングなどによって人材不足をカバーする体制作りが必要となります。

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