「行きたい国の第1位は日本」。日本で購入したいもの第1位は「化粧品」。ブランドや企業も明らかに。中国在住の中国人への意識調査

中国へのマーケティング支援を行う株式会社ENJOY JAPANが、中国在住の中国人に対してWEBアンケート調査を実施しました。

インバウンドが解禁となり、中国本土を中心とした水際対策も緩和され、いよいよ中国からの観光客が本格的に日本へ旅行にやって来ます。懸念だったフライト数も、日本航空や全日空が夏ダイヤを発表し、4月より3年ぶりに羽田発の中国路線が再開されるなど、活発になってきます。

調査内容1~行きたい国第1位は、日本~
質問:どの国に旅行したいですか? ※複数回答可、N=1140

76%の中国人が日本を選択しました。
2位がシンガポールの41%なので日本は旅行先として圧倒的な人気となっています。全体としてはマレーシアやタイ、インドネシアなど東南アジアが人気となっています。また、ヨーロッパで中国からは距離があるドイツが9位に選出されていることは意外で、興味深い結果となっています。

調査内容2 ~日本への旅行目的は買い物が第1位~
質問:(日本を選択した方のみへの質問)日本への旅行目的は何ですか? ※複数回答可、N=871

日本への旅行では、53.3%の中国人が「買い物」と回答しています。また、2017年調査(JETRO調査)と比較すると、「モノ消費」は微増であり、テーマパークは大幅に減少しました。また、体験や経験に価値を見出す歴史・伝統、自然に触れる「コト消費」が大幅に増加しています。中国人観光客も、近年の旅行トレンドに乗っていることが分かります。

調査内容3 ~購買カテゴリー第1位は、化粧品・香水~
化粧品・香水(49.8%)で第1位。第2位は菓子類(44.8%)、健康グッズ・トイレタリー(25%)が第3位となりました。2019年調査(観光庁)と比較でも、1位と2位の顔ぶれは変わりませんでした。

化粧品・香水カテゴリーが、購買意向カテゴリー調査(2023年調査)では44.8%となりました。次いで、菓子類が25%となっています。2019年年次報告書(観光庁)訪日外国人の消費動向データと比較すると、81.9%が化粧品を購入したと回答。今回の2023年調査は、購入意向率の為、44.8%にとどまったものの、最も購入したいカテゴリーという結果になりました。

【2019年調査比較参照データ】
引用・参照元:2019年 年次報告書(観光庁)訪日旅行の消費動向(中国)より抜粋


調査内容4 ~購買意向企業(ブランド)第1位は、資生堂~
化粧品ブランドでは、資生堂商品の購買意向が54.1%と最も高い結果となりました。
質問:(日本・買い物・化粧品・香水カテゴリーを選択した方のみ)購入したい商品の企業名・ブランド名 ※複数回答可

化粧品・香水カテゴリーを選択した方の54.1%が、資生堂と回答しました。
次いで、2位がコーセー(39%)、3位が花王(37.2%)となっています。欧米の有名ブランドよりも、日本ブランドを選択していることが分かります。越境ECが徐々に普及し、自国にいながらも海外製品を購入できる環境は整ってきていますが、日本に旅行へ来たときには、日本のブランドを購入したい意向が反映されています。

海外ブランドでは、1位がシャネル、2位がエスティローダー、3位がランコム、4位がイブサンローランとクリスチャン・ディオールとなっています。2位のエスティローダー(アメリカ)を除いて、海外上位ブランドはフランスが人気となりました。

中国人観光客の日本への旅行が本格的に回復するにあたり、消費意欲の方向性が分かってきました。「モノ消費」は堅調であっても「爆買い」を再び期待できるほどではなく、今後は「コト消費」が中国人観光客の集客でカギになりそうです。