観光地で働く会社員の9割以上が英語が話せなくて困った経験あり 〜日本のインバウンド増加を実感〜


日本の各観光地では、インバウンドの回復により外国人とのコミュニケーションが増加しています。ビズメイツ株式会社(https://www.bizmates.jp/)が、観光地のサービス施設で勤務している会社員103名を対象に外国人観光客への英語対応に関する実態調査を実施しました。

インバウンド回復の実感について
外国人観光客の増加を実感しているかに対しての質問では、「非常にそう感じる」が52.5%、「ややそう感じる」が34.7%、「あまり感じない」が8.9%、「わからない/答えられない」が4%という結果になりました。「増加を感じている」は合計で87.2%となり、大部分がインバウンドの回復を実感しています。

出典:ビズメイツ


英語対応で困った経験がある人は86%以上
業務において、英語が話せないことで対応に困ったことがありますか?という質問について、「何度もある」が40.6%、「数回程度ある」が45.5%となりました。全体で86.1%の人が英語が話せず対応に問題が発生したと答えています。

出典:ビズメイツ


英語が話せなくて、どのような問題が発生したか
コミュニケーションで問題が発生した際、どのような問題が発生したかについて、「対応に時間がかかった」が53.8%、「顧客満足度の低下」が45.1%、「トラブルの発生」が25.3%という回答となりました。対応に時間がかかると日本人客を含めた他のお客様に迷惑がかかり、顧客満足度の低下は口コミなどで伝わり集客への影響も出てきます。

出典:ビズメイツ


困ったことの具体的な内容とは
Q4として、英語が話せないことで直面した問題の具体的な内容を尋ねたところ、以下の通りとなりました。
(自由回答・一部抜粋)

・34歳:必要な説明が理解してもらえない。
・37歳:お客様の意図が汲み取れない。
・46歳:間違って伝わった。
・47歳:コミュニケーションが取れない。
・46歳:文化も言葉もわからないのでトラブルになった。
・54歳:ミスインフォメーションによるクレームや病院案内などで適切な案内が出来なかった。
・56歳:意思伝達が出来ない事により相手に不安感を与えた。

外国人観光客には、どう対応するか
英語が話せなくても外国人観光客とかミュニケーションをとることはありますが、どのように対応しているのでしょうか。対応策として最も用いられているのは「翻訳アプリを使う」(45.5%)でした。約半数が翻訳アプリでコミュニケーションをとっています。この対応策は導入も容易で、現実的でもあります。2位以下は「英語ができる従業員に対応を依頼する」、3位は「よく使う定型文を用意する」となりました。

出典:ビズメイツ


Q6として、その他の対応策を自由回答で質問したところ、「三者通訳サービスの利用」や「6ヶ国語に対応したパンフレットを用意している」などの回答がありました。事前に多言語化で準備していることが分かります。(自由回答・一部抜粋)

・54歳:三者通訳サービスの利用。
・46歳:6カ国語に対応したパンフレットを用意している。
・54歳:メニューや案内看板などの英語表記。
・28歳:あらかじめ観光案内等を作っておく。
・55歳:POP作成。
・51歳:外国語が堪能なスタッフが判別できるようにしている。
・42歳:予め外国語の資料を用意している。

現場での英語レベルについて
実際に外国人観光客と英語で接していて、自身の英語力不足をどの程度感じているのでしょうか。
最も多いのは「何度もある」で48.5%、次いで「数回程度ある」が31.7%、「一度だけある」が5.9%となりました。「何度もある」と「数回程度ある」を合計すると80.2%が現場での英語レベルの不足を複数回感じています。

出典:ビズメイツ


リスキリングとしての英語研修の導入
近年、様々な企業で導入が増加しているリスキリングについて、勤務先に導入を希望しますか?との質問に対し、「非常にそう思う」が24.8%、「ややそう思う」が44.6%、「あまりそう思わない」が15.8%という結果となりました。英語のリスキリングについて、導入を希望する人が合わせて80%以上となり、現場レベルにおいて英語スキルの習得が必要と考えている人が多数いることが分かります。

出典:ビズメイツ


英語力の向上と売り上げの関連性についての意識は
英語力の上達に応じて売り上げに貢献できるかについて、「非常にそう思う」が22.8%、「ややそう思う」が40.6%となりました。全体では約6割程度が英語力と売り上げに関連性があるとしています。一方で23.7%が否定的な回答となりました。これは、対応の全てが集客や販売ではなく、単純な案内や説明、苦情対応などもあるためと考えられます。しかし顧客満足度には影響を及ぼし、口コミの評価に繋がるので、間接的にではあっても売り上げに貢献するものと思われます。

出典:ビズメイツ

英語力の向上とキャリア形成について
英語力の向上とキャリ形成について、良い影響を与えるかでは「非常にそう思う」が34.7%、「ややそう思う」が40.6%、「あまりそう思わない」が22.8%となりました。60%以上の人が英語力の向上がキャリア形成に役立つと考える一方、20%以上の人が英語力向上とキャリア形成が連動しないと捉えている結果となりました。

出典:ビズメイツ


観光地のサービス施設に勤務する多くの会社員が、外国人観光客の増加を実感しています。インバウンドは今後も回復の継続が予想されるので、従業員の英語スキルの習得や向上、また英語対応に必要なデバイスや多言語パンフレットの整備などの必要性が高まっています。