外国人と一緒に働くことについて、コミュニケーションの実態調査が発表


ワークスモバイルジャパン株式会社が、外国人労働者と同じ職場で働いたことがあり、直接業務上のやり取りをしたことがある会社員1,000人を対象に、「外国人労働者とのコミュニケーション実態」に関する調査を実施しました。

インバウンドは急速に回復中ですが、一方で人材不足が大きな問題になっています。特に宿泊や飲食などのサービス業において人材不足が顕著であり、外国人を積極的に採用するところもでてきています。インバウンドは外国人観光客を対象にしたビジネスなので外国人の雇用はメリットが多いですが、同僚として一緒に仕事をする時、コミュニケーションはどうなっているのでしょうか。

Q1 外国人労働者との意思疎通ができているか?

この質問に対して、45%が十分に意思疎通ができていると回答しています。一方で24%が文字による意思疎通ができない、専門用語や業界用語などは通じないも24%となりました。およそ半数は意思疎通ができていますが、残りの約半数はコミュニケーションが不十分と回答しています。

コミュニケーションに関して、専門用語や業界用語は教育や業務を通して改善していきますが、文字による伝達は難しい面があります。ひらがなを覚えている外国人は多いですが、漢字は習得に時間がかかります。

またデスクワーク業では、約6割が十分に意思疎通ができていますが、ノンデスク(店舗・工場・現場系などのデスクレス産業)では約6割が十分なコミュニケーションが取れていないという結果も出ています。

Q2 「意思疎通が十分でない」業種TOP3

業種別では、飲食・宿泊業の67%が意思疎通が十分でないと答えています。2位以下も5位を除いてノンデスク産業が6位までを占める結果になりました。文字による伝達や専門用語・業界用語を織り交ぜたコミュニケーションに問題がありそうです。


Q3 文字による意思疎通、専門用語の知識に関して課題を感じている業種TOP3

意思疎通のレベル感を細分化すると、業界によって読み書き能力に関する課題が異なる結果になりました。
「漢字などが読めず文字による意思疎通ができない」ことについては、1位:製造 、2位:物流・運輸、3位:建設工事、「専門用語や業界用語などが通じない」ことについては、1位:飲食、2位:介護、 3位:教育の順で平均よりも高い課題感が現れています。

Q4 外国人と働く中で困っていること

外国人と働く中で困っていることの1位は「口頭で説明しても正しく伝わっているか把握できない」となりました。他にも専門用語・業界用語が分からなかったり、業務マニュアルや指示書が読めないため教育が大変という問題などが挙げられました。

Q5 外国人労働者とのコミュニケーション問題の解決策

コミュニケーションに問題はあっても、もちろん解決策もあります。
解決策について最も多かったのは、「ゆっくり話す」の41%でした。これは外国人とコミュニケーションをとる時の通常の方法であり、ゆっくり話すことで相手の理解力は向上します。同時にゆっくり話す日本人も、内容を簡潔に分かりやすく伝えようとするので、一定の効果は確実にあります。

また、外国語を話せる日本人スタッフを介してやり取りを行うという方法もあります。外国語を話せる日本人スタッフは、外国語が完璧でなくても構いません。むしろ流暢に話せないケースが一般的です。それでも、多言語を話せる日本人スタッフは貴重です。

ツールの活用については、翻訳アプリやチャットの翻訳機能、翻訳機を使用するという解決方法があがりました。ツールの使用は全体でおよそ40%ですが、今後はより積極的に活用されていくでしょう。


インバウンドは多くの業界で人手不足となっており、外国人も採用が難しくなっています。外国人スタッフは採用後も丁寧に育てることが必要になりますが、この過程は日本人でも同様で、教育方法が異なるだけです。外国人はきちんと育成できれば仲間意識を共有できますし、長期に渡り戦力になる可能性を持っており、人材不足解消の重要な選択肢になりえると言えます。

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