5兆円目標のインバウンド本気プラン~ワールドカップ直前・元日本代表の長谷部誠選手と元ドイツ代表のゲッツェ選手の対談まで~

内閣総理大臣が主宰する観光立国推進閣僚会議が「インバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」を決定・発表しました。インバウンド消費5兆円超を速やかに目指し、集中的な取り組みを実施するというものです。

パッケージは4本の柱で構成されていて、

  1. 1.特別な体験の提供
  2. 2.大自然の魅力を活かした新たな体験の提供
  3. 3.イベントをフックとした誘客の促進
  4. 4.戦略的なプロモーション、CIQ等の受入環境整備

となっています。具体的な細かい内容は内閣官房のホームページをご覧頂ければと思いますが、注目は「コト消費」に集中している点です。

目標5兆円という規模は、インバウンド消費がピークだったコロナ禍直前の2019年(4兆8,135億円)を上回る金額で、早期目標としてはけっこう強気です。このような高い目標ならば「爆買い」をはじめとした「モノ消費」に頼りたくもなりますが、文化やアドベンチャーツーリズムなどをはじめとした体験型、またアートやスポーツと連動させた誘客など、長期的な集客を念頭に置いた政策パッケージとなっています。また、観光庁だけではなく、文化庁や外務省、国交省、環境省、内閣府、文化庁、宮内庁、入官庁、厚労省、経産省、財務省、スポーツ庁、さらには農水省や国税庁まで巻き込んでいて、この政策パッケージの本気度が伝わってきます。

一方、インバウンドのプロモーションとしては、日本政府観光局(JNTO)がドイツ・ブンデスリーガ「アイントラハト・フランクフルト」チームとのパートナーシップ事業の第 1 弾として、元日本代表の長谷部誠選手と元ドイツ代表のマリオ・ゲッツェ選手の対談をYouTubeで公開しました。直前に迫ったワールドカップでの両国の直接対戦やフランクフルトチームの日本ツアー、そして訪日観光について語っています。全編ドイツ語ですが、しっかりと日本語字幕(英語版字幕もあるようです)がついています。翻訳の視点から字幕を見ると、とても丁寧に翻訳されているし、字幕も読みやすいように配慮されていて、とてもきちんと翻訳・制作されています。

日本のインバウンド復活に向けて、多くの組織や企業、そして最も大切である「ヒト」が積極的に関わりながら前進していく勢いが感じられます。気持ちがどんどん盛り上がって、ワクワクが止まらなくなってしまいますね。