インバウンド再開の夜明け前~2022年9月の国別・地域別訪日外国人数の発表~

インバウンド再開直前となる9月の訪日外国人数が発表され、規制緩和が始まった3月以来、はじめて20万人を超えました。

これからは、本格的なインバウンドの再開に向けて各地域の受け入れ環境整備の加速化や、入国手続き等の実用情報の的確な情報発信が必要となります。

また今後は、訪日観光の中心となるサステナブル・ツーリズム、アドベンチャートラベル、高付加価値旅行等の情報発信や、 MICE 誘致等のプロモーション等インバウンドの本格的な回復に向けた取り組みを強化していくことが重要となるでしょう。

インバウンド需要は、コロナ禍以前から爆買いなどに代表されるモノ消費から、コト消費(サイクリングやスキーなどのアクティビティ、文化的体験等)に移行していました。本格的にインバウンドが再開すると、最初はモノ消費も盛り上がるかもしれませんが、じきにコト消費が中心となります。そのための準備が今から必要となります。それでは、国別・地域別にみていきましょう。

東アジア
韓国からは32,700人、中国は17,600人、台湾は6,700人、香港からは2,800人が訪日しました。

東アジアは日本のインバウンドにとって最大のマーケットですが、各国・地域ともに直行便数を含めて回復傾向にあります。ただ、日本への入国にはワクチン等の施主証明が必要であり、日本から帰る入国・入境(韓国を除く)には一定期間の隔離や自主防疫などの条件がついています。

東南アジア
タイは7,600人、シンガポールは22,900人、マレーシアは3,000人、インドネシアは9,200人、フィリピンは8,500人、ベトナムは30,900人、インドは5,200人となっています。

東南アジアは、東アジアに次ぐターゲットとなります。注意点としては、イスラム教徒の方の割合が増加するので、礼拝やハラールの食事対策が重要になります。

オーストラリア・北米
オーストラリアは、4,700人、アメリカは18,000人、カナダは2,400人、メキシコは800人となっています。

各国とも、日本に入国の際にはワクチン接種証明などが必要となり、またオーストラリアとアメリカは、日本からの帰国の際には検査などが推奨されています。

ヨーロッパ
イギリスは4,500人、フランスは5,300人。ドイツは5,300人、イタリアは2,600人、スペインは2,000人、ロシアは1,200人となっています。

日本への入国にはワクチンなどの接種証明が必要となるほか、ロシアは自国民の帰国際にもワクチンの接種済みであることを証明する書類などを政府ポータルサイトに登録する必要があります。日本への直行便については回復傾向にありますが、イタリア、スペイン、ロシアは引き続き運休となっています。

中東地域
一部の中東地域の国からの日本への入国には、ワクチン接種証明書に加え、査証取得等が
必要となります。また、自国民の日本からの入国については、一部の中東地域の国で指定アプリのダウンロード等が必要になります。日本への直行便数は、前年同月と比較して回復傾向にあります。

今回の発表では以上となりますが、インバウンドは世界各国の国から万遍なく来るのではなく、各都道府県や地域によって訪日外国人の国籍は異なります。きちんとターゲットを定めてインバウンド需要を取り込んでいきましょう。